それでも人事になりたいですか? ~ぷりん男爵のおもしろ人事奮闘記~

こんにちは。ぷりん男爵です。某エンターテインメント企業で、10年以上人事の仕事をしています。人事の仕事って一言でいってもいろいろありますよね。なので、このブログでは、人事の知られざる日常について、時にまじめに、時に楽しくお伝えしていきたいと思っています。肩の力を抜いてお楽しみください。

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これって労災?様々なケース別に考える労災の基本について。

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こんばんは。ぷりん男爵です。 

 

人事の仕事のひとつに、労働保険や社会保険に関する手続き業務というものがあります。

 

採用や社員研修などの華やかな業務と違って、いわゆる書類作成業務なので、割と地味な仕事ではありますが、でも、とても大切な業務のひとつです。

 

こういった労働保険、社会保険に関する業務は、それに関連した法律に則って行われています。

 

雇用保険法」「労働者災害補償保険法」「健康保険法」「国民年金法」「厚生年金保険法」「介護保険法」など、その法律は多岐にわたっており、人事には正確な知識が要求されます。

 

知識がなかったばっかりに、本当はもらえるはずだった給付金がもらえなくなってしまうこともあるため、その責任は重大です。(給付金のほとんどは申請方式のため、人事が手続きを怠ると、従業員が損をすることになります。)

 

さて、そんな手続き業務のひとつに、労災に関するものがあります。

 

労災は、皆さんご存知の通り、業務中や通勤中に負った怪我等によって病院にかかったり、薬をもらったりしたときに、その費用を国が負担してくれるという制度なのですが、業務中や通勤中ならどんなシチュエーションでも労災が適用されるかというと、そんな訳もなく、申請が却下される場合もあるのです。

 

労災は労働者災害補償保険法」という法律に則って運用されている制度です。この法律を正しく理解していないと、人事が怪我をした従業員に「あ、通勤中の怪我ですね。労災おりますよ!」と軽々しく伝えてしまったばっかりに、あとで申請が却下されてトラブルに発展するなんてケースもなくはありません。

 

ということで、今回はこの労災について、適用になるケース、ならないケースを事例をあげてお話していきたいと思います。

 

社会保険労務士の試験でも、「これって労災になる?ならない?」みたいな問題がだいたい出題されるので、これからお話することは、きちんと勉強された方であれば当たり前すぎるお話となります。(なので、すでにご存知という方は、読み飛ばしちゃってくださいね。)

 

ただ、人事の経験が浅い方や、これから人事になりたいという方については、なかなか労災のケーススタディなんて学ぶことはありませんので、参考にしていただけますと幸いです。

 

それでは、早速いってみましょう!

 

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(ケース1)

Q.取引先との商談のため、宿泊を含んで出張させた従業員が、ホテルで入浴中に足を滑らせて転倒し、骨折をしてしまった。

 

A.【業務上災害適用の可能性が高い。】

基本的に入浴行為は業務とは関係ないが、出張中は移動中や私的行為も含め、すべての時間が事業主の管理下にあるものとみなされるため。(ただし、ホテルに入浴施設があるのに、わざわざ他の温泉に行く途中で怪我をしたなどの場合は業務災害にならない可能性も。(積極的私的行為といいます。))

 

 

(ケース2)

Q.業務中にトイレに行こうとした際、社内の階段を踏み外し、足を捻挫してしまった。

 

A.【業務上災害適用の可能性が高い。】

トイレに行くことは、本来、業務ではありませんが、生理的な行為の場合は業務に付随する行為であるとされ、また、階段という会社の施設が関係した怪我でもあり、業務遂行性が認めらます。

 

 

(ケース3)

Q.取引先に向かう途中、お年寄りが重い荷物を持って階段を上っていたので、手助けをして荷物を持ってあげた。その際、階段をふみはずし足を捻挫した。

 

A.【業務上災害の適用とはならない。】

手伝った行為を当該労働者の業務とみることは困難であり、業務遂行性がなく、業務上災害とはなりません。親切は労災にならず。なんとも悲しいお話です。

 

 

(ケース4)

Q.採用内定者に対して、入社前研修を実施したところ、研修の際に内定者のうち1名が、誤って会議室のドアに指を挟んでしまい、骨折してしまった。

 

A.【業務上災害の適用とはならない。】

一般的に、入社前研修においては労働者性や業務遂行性が認められず、業務上災害とはなりません。ただし、研修期間中にアルバイト代を支給するなど、労働者性が認められる場合には、業務災害として認められるケースもあります。

 

 

(ケース5)

Q.昼休み中に食事のため会社の外に出た際、道路上が凍結しておりすべって転んで腕を骨折してしまった。

 

A.【業務上災害の適用とはならない。】

会社施設から離れた私的行為となるため、業務上災害は認められません。ただし、これが昼休み中であったとしても社内で怪我をした場合には、災害原因が事業場施設に関係していることから、業務遂行性と業務起因性が認められるのが一般的なので業務災害となります。

 

 

(ケース6)

Q.出勤時、アパートの自室を出て敷地内の階段を下りる際に転倒し足を捻挫した。

 

A.【通勤災害の適用となる。】

住居と通勤の境界は、アパートの場合、原則として自室の玄関ドアとなり、すでに通勤が開始されたあとの災害となるので、通勤災害の適用となります。

ただし、これが一軒家で、玄関を出て、家の敷地を出る前に怪我をした場合には、通勤災害とはならないので注意が必要です。

 

 

(ケース7)

Q.帰宅途中に、日用品の購入のため立ち寄った通勤経路上にあるスーパーの店内で、足をくじいて捻挫してしまった。

 

A.【通勤災害の適用とならない。】

通勤経路上にある商店などで、日用品の購入を行うことは、通勤の中断にあたるため、通勤災害とはなりません。ただし、買い物後に再び通勤経路に戻ったあとにおきた災害については、通勤災害の適用となります。

 

 

(ケース8)

Q.通勤に際し、会社に届け出ている通勤経路は電車を利用しての経路のみであったが、その日は電車が人身事故で運転を見合わせており、また、時間に遅れられない大切な商談があったため、マイカーを運転し、会社の近くの駐車場に止めて出勤しようと考えた。その際、マイカーを運転中に事故を起こしてしまい大怪我をした。

 

A.【通勤災害の適用となる。】

会社に届け出ている経路にかかわらず、自宅と会社までが合理的な経路であれば、通勤災害の適用となります。(ただし、明らかな遠回りなどをした場合には通勤災害になりません。)

 

 

(ケース9)

Q.上司と面談中に口論となり、かっとなった上司に殴られ怪我をした。

 

A.【業務上災害の適用となる可能性が高い。】

私的な怨恨や、挑発行為などの業務外の要素がなければ、業務上災害が認められる可能性が高いです。

 

 

(ケース10)

Q.仕事で事務作業にもっぱら従事する従業員が、仕事中(パソコンへのデータ入力中)に腕にしびれを感じ病院に行ったところ、腱鞘炎であることが判明した。

 

A.【ケースバイケース】

その従業員の作業量が、明らかに同種の労働者と比較して明らかに多いといった場合には、過重労働として労災認定される場合もありますが、仕事との因果関係を証明するのが困難であるため、一般的には労災認定されないケースが多いです。

 

 

いかがでしたでしょうか。今回ご紹介したのは、あくまでも一例にすぎません。ちなみに労災においては、「業務起因性」と「業務遂行性」という二つの観点から考える必要があります。

 

○業務起因性・・・仕事中に発生した怪我や病気であるかどうか。

○業務遂行性・・・仕事が怪我や病気の原因になったかどうか。

 

この両方が認められた場合に、労災保険は適用となることを覚えておきましょう!

 

あと、労災かどうかを判定するのは、あくまでも労働基準監督署なので、人事の勝手な思い込みで、これは労災になるとかならないとか判断して、罹災した従業員に誤った情報を伝えると、のちのち賠償責任にいたるケースもあるので注意が必要です。

 

以上、労災ケーススタディでした。

 

それではまた!

 

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